教室ニュース 水橋校ニュース教室長のきまぐれ日記ー音楽はお好きですか?ー

教室長のきまぐれ日記ー音楽はお好きですか?ー

教室長のきまぐれ日記ー音楽はお好きですか?ー

音楽と言えば、多くの人にとって身近なものでしょう。老いも若きも、好きな音楽に耳を傾けているひと時は心地よいものに違いありません。テレビやラジオをつけて音楽が聞こえてこない瞬間はありません。ちょっと買い物をしようと店に入れば、どこでも決まってまずは音楽が出迎えてくれます。私が子どもの頃はウォークマンが登場したてで、間もなくヘッドホンをつけて街を歩く若者を見かけることが珍しくなくなったのを覚えています。当時中学生だった私にとっては強い憧れの対象でした。今の子どもたちにとってはiポッドがそうかもしれません。今どきの中学生や高校生は当たり前のように持っています。今の子どもたちは私の子ども時代などと比べると恵まれているなあとつくづく思います。

音楽がこれほど溢れている社会ですが、音楽は私たちにとってどんな意味を持っているのだろうとふと考えたりもします。そんなの、楽しければいいじゃないか、という気もしますが、音楽は決して楽しいだけのものではありません。クラシック音楽のコンサートへ行くと、眉間にしわを寄せて渋い表情で演奏に聴き入っている人を必ず見ます。ジャズ系のライブでも、そういう人を少なからず見かけます。そういう人にとって音楽は、単に楽しいだけのものではなく、それ以上の意味を持つのだろうななどと、天の邪鬼の私は肝心の音楽そっちのけで人間観察に走ってしまったりします。

私も音楽をよく聴きます。中学生ぐらいの頃から意識して自分の好きなものを聴くようになりました。そして高校生ぐらいの頃からはお小遣いをためてレコードを買うようになったのを覚えています。その時々で熱中する対象は変わりましたが、ポピュラー音楽でもクラシック音楽でも、一度好きになるととことんのめり込みました。音楽漬けと言えるほどの青春時代だったと思いますし、何はなくともとりあえず音楽を、というような習慣は変わることなく今に至っています。

こういうようなことは多くの人が経験しているだろうと思います。老いも若きも含めて、それなりに耳の肥えた人がこの社会にはどれほど溢れているだろうかと思います。子どもたちが耳にイヤホンをつけた状態で勉強するのをとやかく言う資格は、たぶん我々にはありません。イヤホンやiポッドを取り上げたからといって子どもたちがいっそう勉強に集中できるようになるかどうかも怪しいところです。そういう私自身、昔は好きな音楽に耳を傾けながら参考書や問題集を開いていたものです。やがて集中してくると自然と音楽を遠ざけていました。集中はしようと思ってできるものではありません。一件邪魔するように見えるものが集中するための助けとなることもあります。

大事なのは前向きに考えることではないかと思います。メディアリテラシーということが言われ始めて久しいですが、その一部門として(?)、音楽リテラシーということにこの社会はもっと力を注ぐべきではないだろうかと思ったりもします。至る所に音楽が溢れ、好むと好まざるとに関わらず音楽に接しないで生活することができなくなっている今日のような状況では、音楽の持つ意味だとか影響だとかについてもっと意識的であるほうがよいのではないかと思うのです。

例えばスーパーや家電量販店では露骨な商売目的の音楽が騒々しく流されていることが多いですが、ああいったものを心地よく感じる人がどれほどいるでしょうか。テレビCMの多くもそうです。人が集まる場所でBGMと称して流されている音楽を不快に感じる人もいるでしょう。好きでもない音楽を無理やり聞かせる/聞かされる暴力ということも考えてみる必要があるでしょう。

音楽はその性格から言って、人を巻き込まずにはいないものだと思います。音楽があれば、その音楽が好きかどうかに関わらず、人はそれに巻き込まれ、良くも悪くも影響されてしまう。そう思います。そういう意味でかどうかはよく分かりませんが、社会とは何かを知りたければ音楽を知ることだとまで言った有名な社会学者もいました(アドルノ)。

モーツァルトやベートーヴェンの音楽が単なる耳の楽しみ以上の大事な意味を持っていた時代があったと件の社会学者は言います。そしてあらゆるものが商品と化した今日、そういう時代は永久に失われたとも。言わんとすることは、私にも何となく分かります。仮にそうだとすると、今私たちが聴いているものは、では何なのでしょうか。ジャズだロックだ、はたまたワールドミュージックだクラシックだ現代音楽だなどと言って聴いているものは、本当は何なのでしょうか。

あるいは、本当は‥などと問うことに意味はないのかもしれません。しかしこういうことが気になって仕方なくなる性分です(苦笑)。これだけ多くの人がこれだけ多くの時間を音楽とともに過ごしている以上、その意味や影響を問う声というものも当然出てくるだろうと思います。影響を受けるということでは子どもたちも当然例外ではありません。子どもたちこそ影響の矢面に立たされていると言っても過言ではないと思います。いろいろ勉強してみたい気がします。

アルファ進学スクール水橋校 涌井 秀人