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成績アップの条件

成績アップの条件
中学生も高校生も、期末テストが終わってほっとしていることと思います。2学期ももうすぐ終わります。

中学生に書いてもらったテスト結果を見ていると、成績の上がった子、あまり変化のなかった子(もともと成績のよい子も成績の芳しくない子もいます)、また残念ながら成績の下がった子といろいろです。よくやった!と膝を叩きたくなるほど大きく点数アップした子もいれば、あんなにがんばっていたのに・・・と残念でかわいそうな気持ちでいっぱいになる子もいます。

塾なのだから成績が上がって当たり前、と思われる方は多いでしょうし、私たち塾のスタッフも、もちろん子どもたちの成績を上げることを至上命題としています。でも、子どもたちの学業成績を左右する要因は実際にはさまざまあって、しかもそれらの要因が複雑に関係し合っていることが普通です。単純に塾に通っているからと言ってすべての子の成績が短い間に目に見えて上がっていくというものではないことも、多くの保護者の方は承知しておられることと思います。こんなことを言うと、毎月高い月謝を払っていただきながら、責任逃れをしているように思われるかもしれませんが・・・。

ただ、子どもの成績を上げるためには、勉強以外のことでいくつかの要因が揃っていることが必要であるということは、認めなければならないように私には思われます。

例えば第一の要因は、家庭での生活習慣です。毎日ちゃんと朝ご飯を食べてから学校へ行っているかどうか(これが特に大事とは昔からよく言われることです)。外から帰って来て玄関に靴を乱雑に脱ぎっぱなしにしていないかどうか、衣服を脱ぎ散らかしたり鞄をそこら辺に放り投げたりしていないか。そして晩御飯の後寝るまでの時間、我が子がどんなふうに過ごしているか親御さんがまったくつかんでいないなどということがないかどうか、などなど。

勉強とは一見何の関係もないように見えるこれらのことが、毎日ほぼ決まった時間に決まった場所で勉強する習慣を身につけるための最低限の条件だと思います。自分の身の周りに気を配り、自分の生活を自分の気に入った、しかも周りと調和した秩序あるものに整えようという心の習慣があることが、我が子のことで多くの親御さんが頭を痛めておられる家庭での自主学習の習慣を確立するための、何よりも欠かすことのできない必須の条件だと思います。

第二の要因は、家庭のなかに、勉強することや、文化に関するもろもろを尊重する雰囲気があることです。我が子には顔を見れば腰を据えて勉強をするように口うるさく言う一方で、自分は日々の忙しさを理由にしたりあるいはただ大人だからということで、勉強したり読書をしたりといったいわば自分を磨く活動から遠ざかったりしてはいないでしょうか。

言うまでもなく子どもは他のどこでよりも家庭のなかで育ちます。そして家庭の雰囲気はもっぱら大人が作り出すものです。子どもは大人の正直な鏡。皆さんどうか胸に手を当てて考えてみてください。仕事が忙しいこと、家族の生活を成り立たせることでいっぱいいっぱいになっていることと、文化の香りを家庭に持ち込むこととは、完全に別箇のことです。

文化などと大上段に振りかぶらなくても大丈夫だと思います。例えば今年のノーベル賞はどこの国の何という人がもらったとか、少し前の話ですが、日本の人工衛星が長い旅の果てにある遠い小惑星から地球に石ころを持ち帰ったことがどんなにすごいことかとか、少しテレビやインターネットに親しむ習慣のある人ならその種の話題に事欠くことはないはずです。そういう話題が晩御飯の席をにぎわせ、科学技術や学問の大事さがそれとなく子どもに伝えられるといったようなことは、親御さんの学歴や教養とはあまり関係のないことです。大事なのは、子どもに外の世界について、学校での勉強とは違った形で興味を持たせることです。今の子どもたちは、概して流行のマンガやゲームのことはやたら詳しいですが、外の現実の世界のことを驚くほど知りません。「井の中の蛙大海を知らず」と言います。外の世界という自分の知らない大海があることに気がつけば、勉強する意味など即座に分かりますし、子どもがよく言う「勉強の仕方が分からない。だから勉強できない」というもっともらしいセリフも、結局は迷妄にすぎないことが分かります。

塾というものは子どもの成績を上げてなんぼですから、こういうことを言い募ってばかりいるわけにはもちろんいきません。私がここでこういうことを話題にする理由は、これからの塾というものは、これまで長く家庭にばかり重くのしかかっていた子どもの基本的なしつけや彼らの知的好奇心を刺激することも、大切な仕事の1つとしてやっていく必要があるのではないかと思うからです。

最近の子どもたちを見ていると、ごく基本的なしつけができていないなあと感じることが結構あります。教室でよほど目に余る時には私は思いっきり叱り飛ばしたりするのですが、当の子どものきょとんとした顔に拍子抜けすることもあります。

私は決してスパルタ方式の教育の信奉者ではありませんし、自分の子ども時代を振り返ってみてもそんな教育をする資格が自分にあるとは到底思えません。でも目に余る時には本気で叱ります。

子どもたちの成績を上げるために塾として何をする必要があるかと絶えず自問します。以前はずっと教材は何を選ぶとか、授業の組み立てをどうするとか、授業以外に自主トレの時間を設けて半ば強制で塾に来させるかとか、そういう技術的なことばかり考えていたものですが、最近はそういう技術的なことも含めて、子どもたちの生活全体のあり方に何らかの影響力を及ぼさない限り、学業成績向上など本当は見込めないのではないかと思うことが多くなっています。

具体的にどんなことができるのか、どんなことなら許されるのか、まだ考え始めたばかりで分からないことだらけですが、真剣に考え続けなければならない課題だと思っています。

水橋校 涌井 秀人