教室ニュース 水橋校ニュース教室長のきまぐれ日記ー天文台へ行こう!ー

教室長のきまぐれ日記ー天文台へ行こう!ー

教室長のきまぐれ日記ー天文台へ行こう!ー
私たちは宇宙を旅する旅人…
仕事に疲れてしかも時間がある時などに、インターネットで検索して、宇宙について紹介しているものをよく見たりします。私は専門家ではないので当然詳しいことまでは分かりませんが、私たちが住む天の川銀河の構造だとか、近いうちに超新星爆発を起こしそうな星などについての最新の情報は、刺激的で、疲れて麻痺したようになった頭脳をほどよくマッサージしてくれるようです。テレビでやっている宇宙についての番組も、夕食時のタイミングに合えば、ほとんど必ず見てしまいます。これも内容が面白いと、私の場合は頭の疲労回復に大きな効果があるようです。
そのての情報で最近感心したのは、私たちの太陽が、天の川銀河の中を、らせんを描きながらゆっくりと旅しているというものでした。私たちのいる地球は火星や木星といった他の惑星たちといっしょに太陽の周りを回っているわけですが、太陽自身、その周りを回る惑星たちを引きつれて、銀河系の中を、1周するのに何億年という時間をかけて公転しているというのです。
気が遠くなるのを通り越して眠くなってしまうような話ですが、私が感心したのは、私たちの地球もまた太陽につき従っていっしょに銀河系の中を旅しているという事実でした。地球は1年をかけて太陽の周りを回っているのだから、1年後にはぴったり宇宙の同じ場所に戻るものと、これまでは漠然と思っていました。しかし太陽自身が旅をしているなら、私たちは決して戻ることのない旅を太陽とともに続けていることになります。ゆっくりと、と言いましたが、私たちの太陽系は秒速数百キロ(!)という凄まじいスピードで銀河系の中を前進しているそうです。しかしこれほどのスピードも、宇宙のスケールで見れば微々たるものです。
インターネットのサイトでは、CGによるよくできた動画も見られて、その周りを可愛い惑星たちが公転している太陽が、らせんを描きながらずんずん前進していくあり様が、太陽と惑星の移動の軌跡がよく分かる形で再現されていました。宇宙空間の中で見れば、私たちの地球は想像を絶するくらい複雑な仕方で移動しているようです。
ところで太陽系と言えば、私の世代には、数十年前にアメリカが打ち上げた太陽系探査衛星ボイジャーの名が忘れられません。ボイジャーは太陽系の惑星を次々と探査して、たくさんの刺激的な映像を送ってきてくれました。今は太陽系の果てを飛んでいるといいます。これも気が遠くなる話ですが、超高速の人工衛星で数十年かかる距離も、宇宙のスケールで考えればごくごく僅かなものに過ぎません。
冷房の利いた部屋で、パソコンの前に座って、こんなことを思うでもなく思うひと時は快楽でさえあります。そもそも何かの役に立つというものではありませんが、こんなふうにたまに目線を思いっきり遠くに向けてみるのも悪くないと思います。癒されますし、大宇宙の中のちっぽけな自分を思えば、日頃の我がままや傲慢さもしばらくは影をひそめます。最近の天文学の知見は、壮大なロマンを感じさせるというよりは、あまりに壮大過ぎてすべての人間的な感情を失わせてしまうほどですが、そうしたことも、日頃いろいろな感情に振り回されがちな状態からしばらく脱け出させてくれるという意味では、ちょっとした癒しとなります。
この夏水橋校では、小学生の子どもたちを天文台に連れて行って天体観測を体験してもらう計画を立てています(希望者のみ。8月9日に予定)。天文台に行くなどという経験自体、貴重なものだと思いますし、大きな口径の天体望遠鏡で見る星空は、たいへんに刺激的なものではないかと思います。参加する子どもたちには、たっぷりと楽しんできてもらいたいと思います。
大人はもちろん、最近の子どもたちも、普段の暮らしの中で星空を意識したり、宇宙を身近に感じることはあまりないのではないかと思います。けれど私たちのすぐそばに星空は存在していますし、私たちが大宇宙の中で生きているのは確かなことです。私は大学に入りたての頃に、晩年の手塚治虫の講演会を聴く幸運を得ました。若い頃の私は今と違ってずっと感受性が強く、手塚が自作の実験的な短編アニメ作品を上映しながら、宇宙のほうから地球を思う視点、宇宙のほうから私たち生きとし生けるものを思う視点、宇宙のほうから自分という一個の人間を思う視点を皆が持つようになれば、この世界から多くの深刻な課題や紛争が無くなるだろうと熱っぽく語る姿に、そして彼の究極の楽観主義に、大いに魂を揺り動かされました。
宇宙は決して私たちと無縁な遠い世界ではありません。私たちがいつもその生を営んでいる身近な場所です。たまには日々の忙しさから逃れて、壮大な宇宙に心を遊ばせてみたいものです。
アルファ進学スクール水橋校 涌井 秀人